リースクデール牧師館修復がスタート!
2001年秋



The foreman, Jason Otis (in the middle with black cap) with his skilled crew.
現場監督のジェイソン・オーティス(中央の黒い帽子)とスタッフ


Scaffolding on north side of manse. Stucco removed under east gable.

修復現場には足場が組まれている。上の写真は北側から撮影。東側のゲ−ブル下のスタッコは既に剥がされた。


We discover the seam in the bricks where L.M. Montgomery's large front door with side window panels was replaced with our current front door.

現在の玄関右横のスタッコをはがしたら、モンゴメリが住んでいた時代の玄関の枠を示す縦線が見えて来た。

「赤毛のアン」の作者L.M.モンゴメリが、1911年から26年にかけて暮らした、リースクデール村の長老派教会牧師館の話題です。カナダ連邦政府がこの牧師館を歴史文化遺産として認定したのは、1997年のことでした。

牧師館を有するUxbridge(ウックスブリッジ)では、例年モンゴメリ・デイを催すなど一般からの寄付を募り、近年は政府からの援助金も得ることができました。日本のモンゴメリ/アンのファンクラブ、Buttercups(バターカップス)からの度重なる支援も受け、2001年秋、ついに、モンゴメリが暮らした時代に蘇らせるための牧師館修復作業が始まりました!

2階建てで地下室もある牧師館は、リースクデール長老派教会の道路を渡ったななめ向かいに1887年頃建てられました。建設当時からモンゴメリが住んでいた頃迄はレンガの建物でしたが、のちに外壁はスタッコと呼ばれる白いしっくいで塗られました。

修復作業の第一歩は、このスタッコ剥がしです。建物の周囲には建設現場によくある足場が組まれ建物を囲んでいます。スタッコを剥がすと、その下にはやや黄色を帯びたレンガが見えてきました。部分によってレンガの状態が悪いところもあり、作業は慎重を要します。

レンガとレンガの間にはさまるモルタル部分には、細い線で「蔓(つる)模様」と呼ばれる半円の模様が描かれており、これをその通りに再現する為には特別な工具が必要となるそうです。現場監督のJason Otis(ジェイソン・オーティスさん)に寄ると、既存の工具ではその繊細な模様を描けないことから工具を手づくりすることになるだろうとのこと。若いオーティスさんは、アメリカ各地やイギリスにまで渡り、歴史的な建物修復に関して学ばれた専門家です。

現在、牧師館に住むPat Millner(パット・ミルナ−さん)は、ボランティアで組織されたモンゴメリ委員会のメンバーのおひとり。当然ながらモンゴメリのことにも詳しく、牧師館を守るには最適の人物です。日曜以外は毎日現場で働くスタッフに、クッキーやお茶の差し入れを行っているそうで、「そのうち皆太ってしまって、足場に昇れなくなるかも」と冗談を言っています。ドリルなどを用いる作業現場の騒音は相当ひどいので、耳栓は欠かせないとか。騒音を気にしてか、はたまたモンゴメリのファンがやって来るのか、牧師館前の路上から、様子を見に来る人達が結構いるそうです。

さて、この牧師館の建物建設に携わった大工さんのお一人は、地元のValentine Brooks(ヴァレンタイン・ブルックスさん、1886年頃の建設当時36歳)でした。つい最近、彼の御孫さんにあたるブルックス氏が、昔を偲んで、牧師館の修復現場を見学に来られたそうです。

これからも修復が進み、一日も早く、モンゴメリの暮らした時代に牧師館が蘇りますように。将来は、モンゴメリ記念館として資料を揃え、一般公開される予定です。

(2001年11月記) 本文コピーライト 梶原由佳、English text & photo courtesy by Pat Millner.
参考文献: The Churches of Uxbridge-Scott by Allan McGillivray、1978.

 

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