バラの『アンそっくりさん』大会

「赤毛のアン」の作者、L.M.モンゴメリが1922年の夏の休暇を家族とともに過ごした、ムスコカ地方のバラ。英国ウェールズ地方の言葉で「川と湖が出会うところ」という意味のバラは、その名のとおり、ムーンリバーとムスコカ湖が合流している閑静な避暑地である。モンゴメリは、バラを大層気にいって、ここでの休暇の体験を基に、1926年にムスコカを題材にしたロマンチックな小説「青い城」を著わしている。

この小さな町にあるBala's Museum にて、去る8月12日、第2回目の「アンそっくりさん」大会が催された。熱い日差しのなか、近郊都市から集まったのは、2歳から13歳までの13人もの赤毛の女の子達。まるで物語の中から抜け出てきたような、麦藁帽子に長めのコットンドレス、白い胸あてエプロン姿に、審査員達は驚きの色を隠せなかったようだ。

見事1位に選ばれたのは、お母さんの手作りの衣装を着た10歳のステファニー。ソバカス顔を輝かせ「アンに選ばれて夢みたい!」と大喜び。2位に選ばれたのは、おしゃべり好きのケリー。3位入選の13歳になるヘザーは、「モンゴメリの小説は全部読んだわ。学校では、友達からアンて呼ばれてるの」とにっこり。

選には漏れたものの、赤毛のかつらを被って登場した黒人少女「アン」や、アンの腹心の友ダイアナに扮した3才の女の子も現われ、見学の大人達の賞賛はつきなかった。また、会場には、アンの養父マシューに扮した近所のカール バーンズ氏が、2頭立て馬車を駆って現われ、子供達を物語の世界そのものの馬車の旅に誘っていた。

主催者のジャック夫妻は、「来年は、多くの日本人の皆さんにも見に来て欲しいですね。」と希望をひとこと。

バラの町が、アンのアヴォンリー村に変貌を遂げた真夏の午後のひとときでした。

(上記文章は、「オーロラ」1995年第12号に掲載されたものです。)

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